北経連の活動

第10回北陸観光(HOT)サロン

公開日時:2021/04/12

2021年4月12日(月)14:00-16:30 金沢ニューグランドホテル
出席者116名(会場55名 オンライン61名)

「観光業の高付加価値化~量から質の観光へ~」をテーマに、(一社)中央日本総合観光機構との合同セミナーを開催した。

冒頭、久和会長は挨拶の中で、「ウィズコロナ・ポストコロナ時代においても、観光は地域発展の切り札となる有力な産業。一方、観光産業の生産性はコロナ前においても必ずしも高くなく、更なる付加価値向上など生産性の向上が求められている。」との話があった。

 また、国土交通省北陸信越運輸局観観光部長の昆一彦氏より「北陸が行きたい観光地、行ってみたい観光地となることを期待している。各地への往来が再開される時に備えて、観光資源の磨き上げや安心安全を含めた観光地としての魅力発信など、皆さまと力を合わせて取組んでいきたい。」とのご来賓の挨拶を頂きました。

第1部では、JTIC.SWISS山田代表より『持続可能な観光立国の実現に向けて世界的な観光地から学ぶべきこと』と題して基調講演があり、スイスを事例に「スイスの強さは「質」重視。本来価値・付加価値のアップ!地域、商品・サービスの徹底した質的向上でブランド化!そして、多様化する市場とお客様にコミットして行く!」、「戦略として、顧客維持・高付加価値化が重要。一度掴んだお客様は二度と手放さない。2割の上客(ロイヤルゲスト)を増やす。」、「マネジメントの基本は、顧客は誰か?を知ること」等の話があった。

 次に、フランス政府対外貿易顧問委員会マニグリエ真矢副会長より『アグレッシブな「まもり」の観光』と題して基調講演があり、「フランス・パリは住んでいて世界一美しい街であると思っている。それは今もそうであるが、ルネサンス時代もナポレオン時代もルイ14世の時代もそう思っていた。そこに住んで生きてきた人たちが活き活きして、その街をずっと進化し続けたということで美しさが伝わって、今もパリが一番美しい街だと言えることです。石川の皆さんにもそう思えるよう地元資源を使って良さを伝えてほしい。」との話があった。

 第2部では、本日のテーマをもとに、(一社)中央日本総合観光機構荻野常務理事兼事務局長をモデレーターに、基調講演の2人の講師と金沢ホテル懇話会庄田会長、西日本旅客鉄道(株)前田執行役員金沢支社長によるパネルディスカッションが行われた。
 庄田会長からは、「従来の売上の7割で成り立つ組織を目指す。滞在型とリピーター層に力を入れ、近場の周遊プランや文化体験型プランを提供していきたい。また、フロント業務へのDX化を進め、その人員をコンシェルジュ機能強化につなげたい。市民にとって観光は良いものと思ってもらうようシビックプライドの醸成も必要。」、前田支社長からは、「量から質の観光というテーマがあるが、鉄道事業としては、量も確保しながら質を上げていきたいというのが現状の考え。質の高いサービスを適正な価格で提供していきたい。人ならではのサービスを磨き上げること、ストーリー性を持たせられるかがリピーターの確保には大切。その手段として、観光型Maasに取組んでいきたい。」等の話があった。